TW4の静月・優那の設定、小説(背後特製)などをぼちぼち投稿する予定。拍手の絵とか描けたらいいな・・・
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真っ赤な血はこれで何度目なんだろう、
年末の社交界でオレはいつも通りヴァンパイアを殺した。
豪華な部屋には似合わない血の色と幾度となく血を浴びてきたこの剣を見るたびに涙していた自分が今では懐かしく感じる。
最初はただ謝っていた気がする。
ずっと、ずっとずっとー
16歳、数年かぶりの社交界だった。
両親はオレに普通の人として暮らして欲しかったらしいけど現実はそうもいかず、苦渋の選択だったという。
久しぶりに着るタキシードに違和感を感じながらも貴族たちに愛想笑いで軽く挨拶を交わす。
ここにいる人全員がヴァンパイアなんて信じたくもなかった。
一見赤ワインに見えるのも全部血なのがすべてを証明していた。
大体挨拶をすませて今日の標的に会いに行く、当の本人は今から自分が殺されるだなんて思わないだろう。
それを踏まえてオレは妖艶な笑みがこう言った
「ねぇ、二人っきりになれるところ行かない?」
標的がいやらしい笑みを浮かべるのを見るとオレは人気のない部屋に案内した
部屋に入ってからすぐに殺そうと思っていたのに、最初の一撃をミスって標的が逆にこっちが殺されそうになったりしたがなんとか持ちこたえてとどめをさした
「やっと、殺せた」
壁にもたれ息を吐くと同時にそうつぶやいた。
実際死ぬかと思ったし両親もなぜこんなことを自分にさせたのか分からなかった。
それでも達成感が胸を満たした。
ーふと、ヴァンパイアは死んだら灰になるという話を思い出した。
本当にそうなのだろうかとそう思いそれをみた。
瞳が肉塊を写した瞬間吐き気がこみ上げそれを止めようとした手が濡れていることに気づき、なぜ濡れているのかと理解した瞬間あの日の情景がフラッシュバックした。
「ごめん、ごめん、ごめん、ごめん」
焦点の合わない目でどこかを見つめるように血まみれの手を握り締めてオレはただその言葉だけを口にしていた。
あの日、オレは***と話してて、車が来たことに気づかず、轢かれそうになって、***が・・・
そして深紅が飛び散った
「-っ!ごめん***、ごめん」
オレは血にまみれ血を抱きながら泣き続けた。
「ごめん、か・・・」
思い出に浸っていたせいか一粒の涙が頬を伝った。
「まったく泣き虫なところも変わらないよ、駄目だなぁオレ」
せっかくあの学園に入学したのに、
そう言うと血まみれのタキシードを脱ぎ棄てて私服に着替え学園に帰る
正月もまた社交界は開かれる、またオレは殺さないといけない
できればもう殺したくないのに、平凡に笑っていきたいなぁ