勇那side
最初はなんでこいつがオレの代わりに主人格なのか気に食わなかった。
本来ならオレが普段その椅子に座り生活していくはずだったのに、あの幼なじみのせいでオレは主人格の別人格として生活する。
正直悔しかったし、優那が嫌いだった。
さらに優那に恋人ができ、その幸せな姿を見ると苛立ったがそれにも終わりが来る。
優那の恋人が死んだ、優那を庇って死んだことにより優那の心には深い傷が出来たのかあいつが椅子から離れてー現実では肉体が寝ている状態ー此処で毎日泣いていた。
それからだオレが優那に対して苛立ちとも違う感情を抱いたのは
悲しみに染まり歪む表情を綺麗だと思った。
それからオレ達の関係は今まで邪険だった分加速して互いに依存するまでに発展した。
だから
また優那の幸せな姿を見るなんて思わなかった。
「勇那、オレ大切な人が、こんなオレのこと好きだって言ってくれる人ができたんだよ」
泣きながら幸せそう言う。
「会って欲しいな」
そう言われたときはしばらく泣いたあと、気付いたら優那の首を締めていた。
実際あいつと会って頭を撫でられて悪くないと思えた。
その直後優那がオレを椅子から引きずり落とした。
「おい!てめぇなにすんだ!?」
そう言って優那の顔を見ると今まで見たことのないー嫉妬に狂ったー顔をしていた、オレに対してなのかあいつに対してなのかは分からない。
優那に初めて恐怖を抱いた。
優那side
最近自分がよく分からなくなる。
勇那をあの人に合わせた時からずっとずっと苦しくて、理性が保てなくて、自分でなにをしてるのか分からない。
勇那がオレに怯えてるのを見てこの表情はオレだけのものだと実感して嬉しかった。
オレだけの勇那でいて欲し"かった"。
勇那があの人見せた表情を椅子に座ってしているのを見て無理矢理椅子を奪った。
後から優那に聞いたらあの人はオレと勇那両方大切にするらしい。
醜い心が表に出てきて、すごい渇きを感じた。
「喉が渇いた…」
血が欲しい